日曜日, 4月 15, 2007

アニメ:「らき☆すた」が賛否両論のようだが・・・・・

金曜日に妙にハルヒ関係のアクセスが増えたので「新刊が出るだけで反応があるのかなぁ」などと思っていたのだが、実は2chの『らき☆すたアンチスレ Part2』に、ハルヒ: 検証 ライブアライブとリンダリンダリンダのURLが貼られていたのが原因だったみたい。スレがdat落ちしたと同時にアクセスなくなったのでほんとに一過性だったけど。

山本監督のパクリ疑惑の文脈で参照されてたのだが、なんにせよ議論の材料として紹介していただけたのは感謝。けど、なんの説明もなくURLだけ貼られているもんだから、結局スレ上は完全にスルーだったのが、ちと残念(^^;
 
たぶんURLを貼った人は「確かに『ライブアライブ』は『リンダリンダリンダ』から構図を拝借しているが、単なるパクリではないよ」という例を示したかったのだろう。まあアンチのスレだから肯定的なコメントをつけにくかったのもしょうがないか。


という訳で「らき☆すた」第1回を観てみた。
せっかくだからOPとさわりに当サイト的にコメントしておこう。

ダンスの動きと音楽については散々語られているので、これは置いといて、注目したいのは美術。ダンス以外のカットの背景は実在のもので、ハルヒの時と同様に、今回は春日部でかなり細かなロケハンをしたもよう。
萌え系4コマが原作なんだから舞台のリアリティは必ずしも必要ないと思うのだけども、やはりそこは京アニ、まずは原作を背景から含めて徹底的にリサーチしたのだろう。

そもそも原作キャラがとっとも漫画的であるため非常に平面的にならざるを得ないのだが、しょっぱなの派手なダンスから、静的な春日部の風景に移行させ、ここにキャラを小さくはめこみ、リアリティのある世界と萌えキャラをうまく溶け込ませている。しかもどっかで見たことあるような仕草まで入れて、視聴者のツボをはずさず、なかなかに手が込んでいる。

本編構成も単調に見えて結構考えられている。
いきなりゆるーい女子高生のだべりには入っていない。まず校庭での情景を、短いながら丁寧に描いて、こなたの走るシーンの漫画的な表現をクッションとして本編の漫画構図のシーケンスにつないでいる。このあたりにも原作をいかにしてアニメの世界に持ってきて表現するかを考えてのことだろう

どうも件のアンチスレでは、本編のゆるさが期待はずれだったようで、「山本監督憎し」となっているみたいなのだが、少なくとも、上記のように、OPから本編までのシーケンスをみるだけでも原作を相当咀嚼して、アニメとしての表現を考えた上での形だと思う。京アニの丁寧さは決してハルヒにひけをとっていないだろう。
だから作品の評価はもう少し展開をみてからでもいいんではないかな、と思うのだが。


あと、カメラワーク的注目点はOPのチアダンスのシーン。

背景の校舎をフォーカスはずした、チア陣形を望遠で捉えた構図。望遠構図は奥行きが圧縮される。これ、平面的なキャラクターを逆手にとったものである。さらに背景の動きで横ドリーを表現するカメラワークによって、キャラのダンスに校庭での空間の広がりを感じさせている。
OPでこのチアダンスのシーンは、曲もサビの一番の盛り上がるシーンであり、サビのシーケンスでのタメから開放に繋がる流れにマッチした絵を、最小限のカメラワークで見事に構成している巧みな演出だと思う

パクリだなんだと言われているようだが、山本監督は自覚的にやっているようだし(参考エントリ)実際、演出の効果は単なるパロディではなく、なかなかに感心するところが多い。
氏の引用のセンスはもっと評価されていいのでは、と思う。