水曜日, 7月 25, 2007

Suica対応コインロッカーの画期的なユーザビリティ

タイトルが全てなのである。
Suica対応のコインロッカー、初めて使ってみて、その利便性に目からウロコが落ちた。

Suica応用システムとして極めて本質的な機能が実現されていると言っても過言ではない。

(画像は、株式会社アルファロッカーシステム の製品紹介サイトより)
 

使い方はいたってシンプル(現金使用も可能であるが、以下はSuica使用を選択した場合)

<預ける>
・ロッカー中央のタッチパネル画面で[預け入れ]を選択
・空いているロッカーに荷物を入れて扉を閉める
・Suicaを中央のリーダーにワンタッチして施錠
・レシート(ロッカーの番号やSuicaのIDの一部などのメモ)がプリントアウトされる

最後のレシートはあくまでトラブル用の控えである。取りだし時の際に必ずしも必要となるものではない。まあ、ありがちなのはロッカーの場所を忘れてしまうことだろう。(私も場所がわかんなくなって、ちと探してしまった)

<取り出す>
・ロッカー中央のタッチパネル画面で[取り出し]を選択
・Suicaを中央のリーダーにワンタッチして開錠
・扉が自動的に開く

以上。
文章にしてしまうと、小銭を使わなくて済むことと、キーレスになっているのがちょっと便利な程度という印象しか得られないと思うが、ワンタッチで「認証」「精算」「該当ロッカーのドア開錠」が全て自動で処理されるというのは想像以上に快適なのである。
特に画期的なのが最後の開錠だろう。どのドアか忘れても機械のほうでちゃんと覚えててくれるのだから。

この快適さ、例えるとすると馴染みのホテルでクロークに貴重品を預けたような、といったところであろうか。

「昨日預けたあれ、出してくれる」
「かしこまりました。・・こちらでございますね。」
「うん。どうもありがとう」

・・・みたいな。
“馴染みの”ってところがミソ。普通はホテルでも受け取りには引換証やサインが必要だもんね。

精算をほとんど意識しないというのも重要な特徴である。
ホテルのクロークでいちいち「ご利用代金はお部屋代につけさせておいていただきます。」なんてやられたら仮に1回¥10だとしても、あまりいい気持ちはしないよね。

ホテル利用というのはサービス全般を買っているもの。だから、いちいち客にストレスをかけてほしくない。

話はコインロッカーに戻るが、キーレスロッカーというものは全然目新しいものではなく、昔からゴルフ場や大きな銭湯などで既に広く利用されている。ただし、これらは利用時にキーの代わりにドアの選択や暗証番号の入力という手順が必要である。そのため、仮に利用料がただであっても「セルフサービス」という感触が残ってしまう。ここがSuica対応ロッカーと根本的に違うのである。

SuicaのIDを使うことによって実現した「認証」「課金」の自動化。このわずかな違いによってユーザ側のストレスを極力排除することに成功したこのシステムは、今後Suica応用に限らずいろいろなシステムのユーザインタフェース設計に影響をもたらすのでないか、とすら思う。


たかがコインロッカーと侮るなかれ。
こんなシンプルなシステムにさえ、お客のストレスを排除するユーザビリティの革新という、新たなサービスの実現が可能なのである。多くの示唆を含んでいると思う。

まあ機会があったら是非一度使ってみて欲しい。