日曜日, 7月 09, 2006

ハルヒ:自主映画制作のススメ

アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」が終了して1週間ほど経ちますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。既に第2シーズン「消失」の予想 [アニメ]涼宮ハルヒ第2期 「涼宮ハルヒの消失(仮題)」 放映順妄想(笑) などしている方もいてしばらくは余韻が続きそうです。

ハルヒへのハマリかたは人それぞれでしょうが、「ミクルの冒険」にわけもわからず引き込まれた方、ライブアライブに感動したそこのあなた。もし学生さんで秋に文化際があるというのでしたら、この夏休みに映画をつくってみてはいかがでしょう。その経験は一生の財産になりますよ、マジで。

実は、私も某北高学園祭のクラス企画で映画を撮ったことあるんですよ。(当時は8mmフィルム) 学校を舞台にしたエスパーものの追いかけっこで、当然舞台は校舎がメインで某公園の噴水の中での格闘シーン、手描きのビームエフェクト入れたり、近所商店街スポンサーをCMを作成したり・・・・
という訳で、朝比奈ミクルの冒険EP00を観た時には画面の前で悶絶してましたよ。デジャブなんてもんじゃなかったです。

それはさておき、映画制作経験は本当におすすめです。

映画制作の経験は例え素人レベルであっても「作り手側」の視点という貴重な経験を残してくれるものだと思います。今ならビデオカメラが当たり前のようにあるから誰にでも動画の撮影経験というのはあるでしょう。しかしその撮影対象は運動会や結婚式というようなイベントであり、撮影は記録にしか過ぎません。
映画制作は基本的に無からの創造です。まずストーリーを起こし、配役を決めて演技も考え、必要な衣装・道具を手配し、ロケハンもし、撮り方などの種々の演出を決めて、編集して、、、、、と、ひとつのカット・シーンをとるだけで非常に多くのことを考え実行しなくてはなりません。
ですから一度でも制作経験があると、画面の構図やカメラ設定、とかカットのつなぎかたといった撮影について敏感になります。脚本についても多少は「なるほど、プロはこう書くのか」という感想を持てるようになります。
もちろんTVや映画を常にそのような作り手視点で観ているわけではなく、ちょっとした演出で「あれ?」とひっかかりを感じた時や、逆に自然に感動を呼ぶようなシーンについて、振り返って作りを確認することにより、その原因を少しは論理的に理解できることがある、ということです。

    サンプル:  EP00より、イツキとユキの会話シーン 

 
  このシーン、映画の文法を知っているとニヤリとできます。詳しくは以下を参照:
イマジナリーライン
幻視球:『涼宮ハルヒの憂鬱』#12、違和感の演出
  ただ、山本監督には「イマジナリーラインを信用していない(怨念戦隊ルサンチマン:大反省会)」という発言もあるので、それを考えるとこの演出は、自主映画風の演出からさらに一回りした演出と言えなくもないかもしれません。

たいていの人は読書はできるし作文の経験はあるでしょうが、小説を書いた経験がある人は少ないでしょう。ストーリーを漠然と思い描けたとしても、それを具体的に小説の形にし、また人に伝わるように構成するにはそれなりの知識と経験が必要です。しかし、まがりなりにも小説を書いた(書こうとした)ことがあれば、その経験によって、ストーリーを楽しめるだけでなく、なぜそれが面白いのか(またはつまらないのか)というところまで小説を楽しめるようになるでしょう。

ただ、映画制作には時間も人も必要ですし、思い立ってすぐ出来るものでもないでしょう。だからこそ機会がなければ一生経験しないままの可能性が高いのです。学生時代ならば仲間も時間も大義名分(大抵は文化祭)もあるでしょう。ですから一度でいいから是非挑戦してみて欲しいです。下手をすると惨憺たるラッシュフィルムしか残らないかもしれませんが、それはそれで貴重な経験になるでしょう。
そして、数多くチャレンジの中から次世代を牽引する本格的な作り手に回る才能の持ち主が登場してくることを期待しています。

#私にとっては、EP00を堪能できた最大要因です。