18話、この回で日下部みさおがはじめて登場するカット
このカットでは、“つかさがかがみに教科書を借りにきているところ” を眺めているみさお、という構図がつくられている。
ここで、みさおのセリフは全く無く、会話はつかさとかがみのものだけ。しかも二人は手前にいるため画面を広く占有している。ということは、下手をすると視聴者にこのカットは柊姉妹の会話がメインという印象を与えかねない。
それを回避するために細かい工夫がいくつか組み合わせれている。
・日下部の目線描写
教室につかさが入ってきたところ、ふたりの会話中の瞬き、教室を出るつかさを追う目線、これらが、はっきりと描かれている。観客は役者の目の動きに敏感に反応するため、自然に日下部に注意がいくことになる。
・フォーカス
日下部に焦点があっているのは、まあ当然であるが、柊姉妹へのフォーカスのはずして具合が絶妙。これ以上ボカしてしまうと、日下部がなにげなく聴いているという印象からかけ離れてしまう。
視聴者の認識力を信用した上での演出であろう。
・フレームアウト
つかさは目鼻から上がフレームアウトしており、座っているかがみも頭が少し外に出ている。ふたりをフレーム内にきっちり収めないことによって、ふたりがこのカットの主体ではないことを印象づけている。
特に、なるほどと思ったのは下方向の画面の切り方。
画面が、かがみの胸のあたりで切られているため、かがみが教科書をかばんから取り出す動きをする一連の動きにおいても、脇で切れたり、腕の一部がきれたりと、常に安定の悪い構図となっている。
手前で大きな面積を占めているという状態を、逆に構図として収まりが悪いというようになるように、うまい具合にレイアウトをしているわけだ。
・モブがシンプル
同じ様に背景位置にいる日下部との差異を明確にしている。
などなど。丁寧な仕事だなあとつくづく感心。
日曜日, 9月 16, 2007
らき☆すたのカメラワーク
らき☆すた21話 鴨川の風景
時期をちょっと逸しており、かつ、本筋とはあまり関係ないのですが、
修学旅行のエピソードで懐かしい京都の風景がでてきたので一言。

初恋の夢破れたかがみが眺めている鴨川の風景。
カップルが点々とならんでいます。
この光景、
「鴨川の等差数列」
と呼ばれておりました。
いや、本当に見事なまでに等間隔なんですよ。
上のカットだと3組しか描写されてないのでそれほどでもないのですが、3条から4条にかけてそれはもう目盛りをうったのではないかというぐらいの綺麗な等間隔。
日中から夕方、夜にかけてカップルの数はそれなりに増減するのですが、一時的な間隔の乱れはいつのまにか修正されてしまいます。
まあこれは、個々のカップルが両隣のカップルからできるだけ距離をとろうとする意志と補正行為が強力に働いているから、それと、カップル以外の進入を跳ね除けるATフィールドのごとき心理バリアが形成されているから、ということが容易に推定されます。
それにしても、時刻・曜日・季節にかかわらず等間隔を自律的に維持する様はやはり壮観でして、ある意味ソーシャルダイナミクスの完璧な具現例として、その内側に入れない観察者に対してトラウマ寸前の印象を残しているわけですよ。
そんな懐かしくも切ない思い出。 けっ。
#追記:話数間違えてたので修正
日曜日, 9月 09, 2007
「今日の早川さん」たちの胸元
今日の早川さん
Tシャツとかにも小ネタが散りばめられているのでチェックしてみた。
結局胸元以外もピックアップしてしまったのだが。
#ううむ、結構ヒットしないのがあるなあ。まだまだ未熟だ....
WEB版にもネタがまだあるし、全面的に描き直しているのでロゴが違ってたりするのね。
気がつき次第、随時追記する
追加:p.52 Nod's A-la Cocoさんからのコメントで追加。見落としてたぁ 不覚。
修正:p.19 1984 Gray-ruさんの指摘で修正。完全に記憶間違い。
追記:p.23 Asiamoth Cocoさんのファンのハンドルネームでした。帆掛さんファン冥利ですね。
人物の空欄は早川さん
| ロゴ | 人物 | ページ | コメント |
| DON'T PANIC | 表紙 | 銀河ヒッチハイクガイド(の表紙)だった(^ ^; ちなみにWEB版での早川さん初登場時のTシャツも色は違うけどこのロゴ。魚の柄も入っているがこれは同シリーズの『さようなら、今まで魚をありがとう』を意識してるんだろうか。 | |
| KILLER QUEEN | 岩 | 中表紙 | QUEENの代表曲だけど他にもありそう。 WEB版では「オペラ座の夜」のジャケット絵っぽいのもあった。 |
| MOTHER NATURE | 岩 | 3 | ビートルズなら ・・・'s SON なんだけど |
| CAN | 9 | 特定できず。ドイツのバンドもある。 | |
| VALIS ※ | 11 | ディック。一部隠れているが、まあこれだろう | |
| TITTY TWISTER | 岩 | 12 | TITTY TWISTER (おっぱいぐるぐる って感じ?)ってスゴく岩波さん向けのロゴだな、と思ったらそうゆうお店があるのね・・・ 追記:タランティーノの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」に出てくる酒場だった。 本家cocoさんとこでちゃんと解説あったがな 書籍版のデザインはWEB版よりだいぶ洗練されてるな。 |
| Ring World | 12 | ニーブン | |
| BOMB! | 他 | 13 | (妄想の)乗客、帽子のロゴ |
| TWIN PEAKS | 岩 | 14.15 | いかにも岩波さん向けの・・・(r デビッド・リンチ |
| COUNT ZERO | 14 | ギブスン | |
| TIME | 17 | あのTIMEか? | |
| SAND WORM | 18 | DUNE。絵がシンプルすぎ w ナマコみたいで、これはこれでいいなあ | |
| 1984 | 19 | いいかげんな記憶で書いたもんで間違ってました。昔読んだのになぁ 「オー」しか合ってない(^^; オールディスは「地球の長い午後」のほうでした。 ちなみにEurythmicsがこの映画のサントラに参加してて「Sex Crime(1984)」というタイトルの曲を歌っていたな。 VanHalenのアルバムタイトルでもある。 この辺、たぶん早川/帆掛さん(Cocoさん?)的にど真ん中ではないかと思う。 | |
| 3057 (帽子) | 20 | 株式会社ゼットンの証券コード ・・・・って名前は気になるがこれは関係ないな。 | |
| ASIA MOTH | 帆 | 23 | ?モスラじゃないよね? asiamothさんというCocoさん(帆掛さん)ファンのハンドルネームでした。 07/04/05のエントリでのCocoさんの、 asiamothさん:いつも帆掛さんを愛でていただきありがとうございます。そのうち何かサービスさせていただきますね(謎というのが予告だったのですね。 うらやましい。(富士見さん希望と書いておく) |
| 52nd ST | 32 | ビリー・ジョエルかな | |
| NYPD | 他 | 34,36 ,38 | 早川さんが一目ぼれの青年。 PDしか見えないから他のとこかもしれん。LVPDならCSIのファンかも。 |
| DUNE | 40 | 帽子。前出のSAND WORMはTシャツだから組み合わせはありえないか。 | |
| BLUE SKY ... | 富 | 42 | もっと長いようだが思い当たるものがない |
| SPEED QUEEN | 岩 | 45 | ?? |
| SUGER BULLET | 富 | 46 | アーティストかな? 最初、延流が着てるから“砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない”かと思ったのだが、これのサブタイトルは' A Lollypop or A Bullet' だった |
| cyberdyne | 国 | 50 | ターミネーターおよびスカイネットを作った会社(Cyberdyne Systems)。ドライヤーも作ってたのか。 なんと筑波にほんとにある会社だ。しかもHAL(ロボットスーツ)を作ってたりする。 |
| FOX | 岩 | 51 | “狼”と対にしただけだと思うが。。。。 しっぽが可愛いロゴだな。 もしかしたらFoxyかもしんない。Foxy≒Sexyだし |
| Nod's A-la | 帆 | 52 | ノッズ・ア・ラ 帆掛さんがのむキングバーガーのコーラのブランドNod's A-la 元ネタはNozz a-la スティーブン・キングのダークタワー他で登場するコーラのブランド。キングダム・ホスピタルでも出てくる(らしい) なんとWEBサイトまである。Nozz-a-la キングのファンがつくったサイトのようである。 ロストペディアというTVシリーズ「LOST」のWEB辞書に解説あり キングバーガーのロゴが19、というのはわからんかった。キング関係だとは思うのだけど。 |
| GENESIS | 57 | プログレバンドのほうでしょう。 岩波さんが着てたら創世記のほうかもしれんが。 | |
| SOLO(M ... ?) | 59 | SOLOMONかなぁ? SO LONGとか | |
| SEX DRUG ROCK'N ROLL | 岩 | 66 | GUNS N’ ROSES かな? ガンズのほうにはSEX N' DRUG N' ....と間にN' が入る |
| NYPD | 岩 | 69 | ニューヨーク市警察:New York City Police Department 岩波さん、海外ドラマも観るのかな。 |
| KISS | 富 | 73 | このロゴはバンドのKISSだ。 ジーンシモンズだけがショウビズ界で活躍中みたい |
| The Smiths | 74 | イギリスのバンド。古っ。。。。 | |
| THE THE | 富 | 74 | こっちもイギリスのバンド。古っ...くない? 今世紀になっても続いてたんか。知らなんだ。 |
| ROXY MUSIC | 77 | ブライアンフェリー。なんかバンド名が続くなあ。 | |
| THE OUTER LIMITS | 79 | SFテレビシリーズ。THE TWILIGHT ZONEと双璧 | |
| SIGN | 富 | 82 | ?シャラマンの映画かと思ったが、あっちはsignsだった。 アイスランドのバンドかもしれないが、ちょっとロゴが違うなあ |
| SHRIKE | 95 | ハイペリオンの・・・・・(実は読んでないので良く知らない) | |
| STACY | 帆 | 99 | 女子高生ゾンビ純愛スプラッタファンタジー。なんじゃそりゃ。 大槻ケンヂ原作 |
| RED | 富 | 裏表紙 | キングクリムゾン? テッド・デッカー? Communardsのは持ってるのだが。 |
#岩波さんのは、やはりその胸に相応しいものばかりであった (w
火曜日, 9月 04, 2007
グラスホッパー(伊坂幸太郎)
グラスホッパー(伊坂幸太郎)
映画化もされた「陽気なギャングが地球を回す」が面白かったのと、ちょっと変わったプロットに惹かれて購入。
「陽気な…」は周到な伏線がパタパタと収束していく様が小気味良く一気に楽しめた。その続編の「陽気なギャングの日常と襲撃」も同様の展開であった。
まあ、よくもここまできっちりと伏線を回収するもんだな、と感心したよ。
ふふん、だがしかぁし、“周到な伏線をきっちり回収”という作風はそれ自体が大きなヒントかつネタばれなのだよ。
なになに、この「グラスホッパー」とは、復讐が横取りに、プロの殺し屋同士の争いだとな。
伊坂くん、君の手口はエブリシング、まるっとお見通しだぁ。
どれどれ、お手並み拝見・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ぇえっ?
・・うわぁ、やられた。
なるほど、そうきたか。
従来以上にきっちり伏線を回収しているのに、完全に意表をつかれてしまった。
ううむ、全くアンフェアでないし、むしろオーソドックスなやり口ですらあるのに、しっかりはめられたぜ。またそれも心地いいのだが。
伊坂幸太郎は、まだ読んでない作品いっぱいあるので当分楽しめそうだな。
#未読者への注意。この本の解説はネタばれ注意。解説者(杉江松恋)は、ぼかしたつもりかも知れないけど、この中のある記述は重大なヒントになり上記のサプライズが台無しになる。
せっかく、作者が巧みにカモフラージュしているところなのになあ。そうゆうわけで気をつけましょう。
月曜日, 8月 20, 2007
映画:「夜のピクニック」 原作イメージを見事に映画化
「夜のピクニック」の原作は第2回本屋大賞受賞作であり、詳細については改めて説明するまでないだろう。24時間かけて80キロを歩くという「歩行祭」を舞台にした青春ドラマを描いたものである。
正直言ってこの映画、表面的な演出はすべりまくっている。
カメラワークは説明過剰だし、ギャグやコメディはベタベタでグダグダであり、挿入されるサブエピソードもメインプロットとうまく絡んでこない。
おそらくは、製作サイドが、特に大きな山場のない原作ストーリー(だからといって面白くないわけでは全然ないのだが)に映画的メリハリをつける、とか、青春モノとしてのお約束のパターンを入れよう、とかして結局滑ってしまった、という、よくある失敗パターンの典型のような気がする。
が、しかしこの映画はやはり佳作として評価されるべきものだと思うのだ。
それは、この映画では、歩行祭という非日常的なイベントの空気感が、フィルムの隅々にまで刻みこまれているから。この点につきる。
特に大きな山場がないというのは原作でも同様なのだが、それは歩行祭というイベントそのものが物語の主体であるためだ。
丸一日かけて長距離をひたすら歩くという極限状態の中では、日常の外面は脆くも剥がれて真に近い人間性見えてくるのであろう。この作品では、そのような極限の状況下で展開する、主人公達の精神的な葛藤と、“あるわだかまり”の解消、が実にうまく描けているのである。
表面的な演出がことごとく滑っているにも関わらずこの映画が原作の空気感を見事に表現できた要因のひとつはキャスティングであろう。
主役の多部未華子は言うに及ばず、石田卓也(時かけの千昭のCVだ)、西原亜希(JR東のSuicaキャンペーン)、加藤ローザは本当に原作のイメージにマッチしている。郭智博(戸田忍 役)だけは原作のイメージ(時かけの浩介みたいな感じ)とちょっと違ったが、映画的には石田とのバランスがうまくとれていたと思う。キーマンであるところの役どころを実にいい感じでこなしていた。
そして、この映画を佳作ならしめた最大の要因は、多部未華子が提案したという“プレ歩行祭”の実行なのだと思う。主要キャストとスタッフで、ほんとに60kmぐらいの歩行祭をやってみたらしい。この映画で表現されている空気感はそこまでやった経験の賜物なのだろう。
仮に、脚本の過剰な枝葉を排して、役者の力量と観客の読解力を信じて淡々と演出していればあるいは、「リンダ・リンダ・リンダ」の向こうをはった傑作ともなり得たのではないかと思う。そこがちょっと残念だ。
わたしがこの映画を昨年公開初日初回に茨城の某所で観た時のことであるが、上映後に後ろにいた二人連れのおばさんが
「ちょっとの間、青春時代に戻ったね」
と感慨深げに話をしていた。あるいは水戸一高のOBで(歩行祭のモデルである)“歩く会”の経験者だったのかもしれない。
この映画のキャッチコピー「映画を観ている間は18歳に戻れます」は伊達ではないなぁ、と思った。
おまけ
・「ピクニックの準備」という前日譚のショートムービー集も一見の価値がある。主要人物ごとの前日のお話である。これは元々は映画宣伝のためにネット配信されたものであり、事前に観ることを前提に作られているようであるが、後から観ても充分面白い。機会があればチェックしてみて欲しい。
(追記:ピクニックの準備を詳しく紹介したブログがあった⇒ブタネコのトラウマ)
なお、恩田陸の短編でも同名の「ピクニックの準備」という作品があるが、こちらは本編の予告編というか習作という感じのものであり、上記のムービーの内容とはほとんど関係ない。
・ちなみに「夜のピクニック」は8月22日(水)24:20~ (木曜0:20)
WOWOW で放送されるので視聴可能なかたは是非チェックされたし
・また、たまたまであるが、この映画の舞台である水戸のそば東海村で上映会がある。
近隣の方はもちろん遠方の方も映画をみて歩行際の舞台を確認してみては。
入場料500円とお徳。
東海ワンコイン劇場「夜のピクニック」
8月26日(日)、午前10時、午後1時、3時20分、5時40分 500円
東海村船場の東海文化センター(TEL029・282・8511)。
※日時や内容などが変わることもあります。主催者にご確認のうえお出かけください。
