グラスホッパー(伊坂幸太郎)
映画化もされた「陽気なギャングが地球を回す」が面白かったのと、ちょっと変わったプロットに惹かれて購入。
「陽気な…」は周到な伏線がパタパタと収束していく様が小気味良く一気に楽しめた。その続編の「陽気なギャングの日常と襲撃」も同様の展開であった。
まあ、よくもここまできっちりと伏線を回収するもんだな、と感心したよ。
ふふん、だがしかぁし、“周到な伏線をきっちり回収”という作風はそれ自体が大きなヒントかつネタばれなのだよ。
なになに、この「グラスホッパー」とは、復讐が横取りに、プロの殺し屋同士の争いだとな。
伊坂くん、君の手口はエブリシング、まるっとお見通しだぁ。
どれどれ、お手並み拝見・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ぇえっ?
・・うわぁ、やられた。
なるほど、そうきたか。
従来以上にきっちり伏線を回収しているのに、完全に意表をつかれてしまった。
ううむ、全くアンフェアでないし、むしろオーソドックスなやり口ですらあるのに、しっかりはめられたぜ。またそれも心地いいのだが。
伊坂幸太郎は、まだ読んでない作品いっぱいあるので当分楽しめそうだな。
#未読者への注意。この本の解説はネタばれ注意。解説者(杉江松恋)は、ぼかしたつもりかも知れないけど、この中のある記述は重大なヒントになり上記のサプライズが台無しになる。
せっかく、作者が巧みにカモフラージュしているところなのになあ。そうゆうわけで気をつけましょう。
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